もうひとつの石炭車…セサ500

 国鉄の石炭車ならともかく、この貨車を製品で作るとは…。セサ500は1925(大正14)年に、かの北海道炭礦汽船(北炭)が作った私有ホッパ車です。当初は坑道充填用火山灰を運ぶための18t積みでオテハ、オテハフを名乗りましたが、改称や増炭改造の末、1933(昭和8)年に23t積みのセサ、セサフに。さらに緩急車もセサに改造された結果、32輌という私有石炭車としては大勢力となり、炭鉱鉄道末期まで生き残りました。

 

 セサ500といえば頭に浮かぶのは北炭系の夕張鉄道ですね。旧型貨車保存図鑑という素晴らしいサイトに夕張のセサ500の綺麗な写真があります…北海道炭礦汽船」と「夕張鉄道借入車」…おっ、二本線の国鉄直通認可車ですな。どこまで国鉄線上を走ったんでしょう。広田尚敬さんの「昭和三十四年二月北海道」には列車に組み込まれた写真があります。

 同じサイトには夕張から6輌が移動(返却車輌もあるなど諸説あり)したというご近所の真谷地の写真も。こちらは「炭砿汽船株式会社 真谷地砿」ですね。坑道充填の土運用に増炭板を撤去してセラに先祖返りしています。さらに北炭が開業させた天塩炭礦鉄道。開通に合わせて1941(昭和16)年、夕張にいた15輌が移籍しました。記憶の中の鉄道には、すべてが終わった側線に佇む姿 …なんとも言えない寂寥感ですが、この貨車を希望される方は私を含めてこんなシーンにも模型心を刺激される方ではないでしょうか。
 
 見た目はセキ600の炭箱上部を切り取ったようなスタイルなので妻にある手ブレーキや開閉ハンドルのステップ位置が下がりますが、側扉の蝶番は8個と他に類を見ないもの。台車もセキ600のTR18と同形状ですが、こちらは私有化車らしく短軸。しかもセキ600はコイルスプリングをリーフスプリングに改造していますが、セサ500は最後までコイルでした。またしても専用台車…^_^; 

 セサ500キットは2輌セットで50,000円+税になります。他の石炭車に比べて値段が上がってしまいましたが、他に使えない独特の台車に免じてお許しください。キットにはビス、真鍮線、カプラーなどは含まれていません。ご希望の方はコチラを御一読の上、5月28日までにEメールでお申し込み下さい。