米国型も良いです(^^;)

L77-02MZさん。日本型HOがお好きですが、本職は米国型HOであります。FAB店主も同じ趣味を持っているので、「この浮気モノっ!」とは言えないところ。W&Rなどの最新作も購入されていますが、もうひとつやってらっしゃるのがMade in Japanの米国型の加工。

40年(もう40年になっちゃうんですねぇ)くらい前までに製造された日本製は板厚を感じさせるガッシリした感じと組立の堅牢さで、韓国製とは異なる魅力を振りまきますが、反面、精密度という点では「これでもかっ!」の韓国製に比べて、かなりアッサリというか、物足りない面もあります。そこで値段のこなれた日本製(FABにもありますが、最近ならeBayでバカ安)を購入され、CalやPSCのパーツで加工されているわけですが、これが良いっ!

まずはMZ氏最新作のD&RGWのL-77であります。私はD&SLで持ってますが、D&RGWのフライングロゴもいいですなぁ。この機関車、2-6-6–0のマレー(複式です)なので従輪がない。なので450Rも曲がる、”使える”機関車であります。1950年代のD&RGWの蒸機末期まで補機仕業などで残ってます。MZ氏はW&RのL-131も持ってるし(L-132だっけ? 私のはPFM…)、これでモファットトンネルの再現は羨ましい。以下MZ氏の製作レポート(?)

●2009年某月(6月だっけ?)にFABで購入。L-77はPFM-Unitedで60年代後半から70年代後半に数回に分けて生産されたもので、今回手に入れたものは恐らく60年代後半~70年代初めの製品であろう。格好の良さに惚れての衝動買いである。当時のMade in Japanなので、オリジナルでもしっかりした組立である。

本機はD&SLからD&RGWに移ってから蒸気末期まで活躍したので、残っている写真は多い。それらの写真と製品を見比べてゆくと、以下の気になる点が出てきた。①車高がスケールより高い。当時の棒モータと動力機構の上でギリギリの設計の結果と想像。②機関車前方下(ランボード下)の目立つ部品(部品名称は不明)が省略されている。③非公式側の太い配管の取り回しが、仕上げたい1950年末期の位置と大きく異なる。④ランボード下のエアータンク直径がスケールよりかなり細い。⑤    ディテール追加各種。⑥バックプレートが省略(棒モータでバックプレート作成の空間余地は全く無し。当時の製品でバックプレート付いた製品はそもそも無い※最後の生産ロットはついてたんじゃなかったでしたっけ?)。⑦ モータ交換は安易に出来るとしても、動力(ギア)が脆弱

 第一弾の改造として、①~⑥に取り掛かった。今振り返ってみるとかなりの量である。ここまで一通り完成したのは、2009年の年末。2010年の正月に松本さんレイアウト(※DGR&N)でお披露目と相成った。

 ①キャブ屋根下側とテンダー上面の隙間は殆ど無いのが正解であるが、ちょっと車高が高い。モータはコアレスに変更するので、火室内の余裕スペースは十分確保される。従って、車高を下げてもモータと車体が干渉する心配は無いが、車高を下げる為の加工点は大きく2点。●2つのシリンダー高さを下げる●機関車~シリンダーへ伸びる太い配管の短縮(シリンダー接続部分を短縮)この2点を行う事で、実物のドシッとした車高の低いL77のイメージはかなり出せたと思う。

 ②機関車前方下(ランボード下)の目立つ部品(部品名称は不明)が省略されている。この部品が省略された理由は不明だが、やはり目立つ。正確な寸法は不明なので、写真などを頼りに自作。まずまずの出来。

 ③非公式側の太い配管位置の変更。仕上げたい1950年代の姿とモデルの配管は大きく異なる。オリジナルの配管は3mm真鍮丸棒を曲げて作成されているので、同じ方法を踏襲する。新たに変更した部分は、既存部分と継ぎ目処理が必要である。この位置に継ぎ手などがあれば都合良いのだが、どうしてもそこに継ぎ手を入れると不自然。従って、既存部分と、新たに作成した配管の端面を丁寧に仕上げ、出来る限り継ぎ目を目立たなくした。

④ランボード下のエアータンク直径がスケールよりかなり細い。横や斜め前から見た印象が大きく変わるので、作り変える事にした。さてどうするか。。既製品のエアータンクでサイズの合うものを探したがやはり無い(※ツバ付きエアタンクの市販品はホントに少ないです。日本型も同じですね)。結局、真鍮丸棒と真鍮線から自作した。既製品のエアータンクを外す作業を始め、思ったより手間の掛かった部分だが、やって良かった。かなり実物のサイズに近いエアータンクとなり、重心の低さも強調されたと思う。

⑤ディテール追加加工各種。やり始めたらキリのないディテール加工であるが、今回行った箇所は以下の通り。●機関車前方のエアーホース交換と、そこから機関車に延びる配管。●ランボード上の動力逆転機ロッドの作り変え(既製品はロッドが太すぎる)。●サンドドーム横の配管と部品の追加。●キャブ上の配管。●キャブの渡り版追加。●テンダー後部の手すりの追加。●テンダー後部のエアーホースの変更。元々、比較的ディテールがスッキリした機関車であるので、ディテール追加といってもこれくらい。

⑥バックプレート追加。モータ交換でキャブ内はかなりのスペースが空いたのでバックプレートの追加をしたくなった。しかし、正確で鮮明な設計図が手に入らず、可能な限り判別可能な設計図より、キャブインテリアを作成。キャブ内の機器各種はカルスケール等、入手可能な部品で構成した。雰囲気重視のレベル。バックプレート追加は思ったより手間が掛かるが、完成して走らせると、それ程目立たないので、今後のPFMレストア車両でバックプレートの無いものは省略でも良いかも…

これらの加工を行って、既存の動力で目一杯調整した後、松本さんレイアウトで走行お披露目。そこそこの走りとはなったが、やはり最新の製品に比べると滑らかさは程遠い。1年程後、再度走らせてみると、やはり既存のギアボックスでは限界有りと判断し、NWSLのHi-Loギアボックスに交換する事にした。 NWSLにダイレクトに注文して1ヶ月も経たずに到着。まずは最も気を使う動輪へのギア挿入であるが、試行錯誤の結果何とか組込完了。L-77の前にNWSLギアへの加工を行った天賞堂F8,C1と比較すると、車軸の材質や形状、元々のギアが固定されている部分の軸形状に依りL77の方が数段やりづらい。

●動力ギア取り付け部分は軸に溝が掘ってあり、オリジナルのギアもそれにあわせた加工が施されている。●軸に使用されている材質の粘りが無い?ので、動輪抜き、固定を繰り返すとバカになる可能性有。今回は加工終了後、瞬間接着材を流し込んだ。70年代初めまでのPFM-United製品をNWSLに交換する時には避けて通れない部分のようだ。無事、2つの動輪へのギア挿入は完了し、Hi-Loギアを組み立てたが、前方(Lo側)と後方(Hi側)の間隔が狭い。しかも連接なので当然走る時は曲がる部分なので、ユニバーサルジョイント等が必要である。手持ちのジョイントを漁った結果、何とかぴったり来る組み合わせを見つけ使用。Hi側ギアとモータはIMONのシリコンチューブで結んだ。耐久性を考えると、この部分も今後はジョイントにした方が無難かも。マレー機の場合、分解、組立も考慮してジョイントを選定しなくてはならないので、NWSLへの交換では注意しなくてはならない点である。

 NWSLギアへ交換後、調整、慣らし運転を行った結果、見違えるような走りになる。まずまず、満足な走りとなった。今回、絶縁側への集電も簡易的に追加したが、塗装後の再組立時に集電安定性を再度検証する必要あり。このL-77のNWSL交換で最後の難関は、既製のままだと、下回り上回りの組立が出来ない点である。Lo側のギアが車体に干渉する為である。機関車の底面のかなりの部分をリーマーで削ると共に、下回り、上回りの固定ネジの場所を変更した。今回はたまたま新たにネジを切る場所があったので何とかなったが、注意すべき点である。

 さて、話は塗装に移る。今回、初めて、蒸気の下回りに黒染め液を使用してみた。FABで購入したもの(商品名忘れた※Blacken itです(^^;))と、手持ちのマッハの黒染め液である。何回か納得の行くまで染めてみた結果、ディテールも潰れずなかなか良い感じに仕上がる。これからの蒸気の黒部分の仕上げは、基本黒染めにしようと思う程の仕上がりである。

 煙突周りを初めとする上廻りの上面部分は実際、煤けているので、黒染めだけでは表現が無理。上回りはウェザリングも兼ねて、フロッキル・エンジンブラックを吹いたものの、やはり下回りの黒染めとの色調差が大きくなる。また、煙室部分や火室下部分のグラファイト部分は結局はマスキング塗り分けが必要となるので、現実今後黒染めで上周りまで仕上げるのはUSA蒸気では厳しいかも?(注)黒染めの弱い部分がマスキングテープの粘着力でも剥がれる(ショック!)被害最小限でマスキングは諦め、エアブラシを絞った上でマスキング無しで煙室のグラファイトを吹く。まあ、その後でウェザリングも兼ねてロコブラックを吹くので良とする。また、キャブ下のグラファイトも同じ。

L77-01ただ、こちらは車体へのグラファイトの飛び跳ねは致命傷なので、極小範囲に。従って、キャブ下の銀は殆ど判別できないくらいだが、実物写真も号機に依っては同じなのでこれで良とする。やはり、全体が黒一色の日本の蒸気以外は、上廻りまで黒染めで仕上げるのは少々無理があるようだ。

 L-77は蒸機末期まで健在であった為、ランボード横には他の大型蒸気同様、白ラインが入れられている。No.やヘラルド、白ライン全てマイクロスケールデカールを使用。また、D&RGWに移ってからは、シリンダーカバーの正面側は銀塗装が施されている。本来であれば、マスキングでささっと仕上げるところだが、先の理由でどうもマスキングは怖い。考えた挙句、ドライブブラシ的に筆塗で仕上げた。この部分も最終的にはウェザリングで整えるし、仕上がりも問題ないようだ。全デカール作業を終え、十分乾燥させた後、色調統制も兼ねたウェザリングを施す。組立調整の後、DCC組込。使用したユニットはTSUNAMIのHeavy Steam Sound。

最後に、この軸配列のマレーはウェイトバランスが難しい。模型の場合、実質後方の3軸に殆ど全ての重量が掛かる。前ユニットは車体の重さを線路面に伝えるべくバネが付いているが、このバネ係数などは不明であるため、実際にウェイトを補充しながら機関車の水平度を見てゆくことになる。また、前ユニット、後ろユニットとも、大枠内部にも僅かにウェイトを補充した。仕上がりは写真の通りであるが、70年代初めのPFM L-77 としては、恐らく最も手間の掛かった仕上がりと自負している。

……はい、だと思いマスです。でもって、けっこうなお手前であります。自分のL-77もいじりたくなってしまいました。しかし、これって軽加工? 重加工も甚だしい気がするんですけど、MZさん。