FAB Loco File Phase 1: Varney Dock Side


FAB Locomotive File Phase:1
Varney B&O C-16 Dockside
#98 of Gorre and Daphetid (later #9)


どうということもない古びたダイキャストの機関車。ただし只者ではない歴史を持っている機関車でもあります。この機関車はかのジョン・アレンが作り上げたG&D最初の機関車でありました。独特の形態にはTMS旧号で強い印象を持たれた方も多いと思います。プロトタイプは1912年ボールドウィン製B&O C-16。急曲線に合わせたホイールベースは僅か7フィート。波止場の入換え機関車故にドックサイド、またリトルジョーという愛称でも親しまれました。




この機関車を模型化したヴァーニィはゴードン・ヴァーニィが1936年に設立。60年代まで存続しました。ドックサイドの製造開始は1942年(第二次世界大戦最中!)。米国HOで初のスケールモデルでした。当時の巨大なモーターはHO機関車に収めるには難物。特異なドックサイドを模型化したのも、ボイラージャケット全長を覆うサドルタンクによってモーター収納が容易だったことが理由としてあげられています。

G&Dにこの機関車が入線したのは1946年。我々が手に入れることができるダイキャストモデルは、やはり1940年代後半から1950年代製造のものです。「ベストパフォーマー」とアレンが語った通り、60年前の模型とは思えない低速トルクを持ち、小型機とは思えない強力な牽引力を低速から発揮します。米国では60年前に入換えで遊べたわけです。これがどれだけ凄いかはオールドファンならお分かりだと思います。経年に弱いと言われたダイキャストですが、製造から50~60年を経てもクラックがないボディに当時の米国の底力を感じさせるところ。G&Dでは98号機、後に9号機に改番されました。98号機は製品お仕着せ。9号機はアレン・オリジナルです。


60年代にはボディがプラスチック化され、後に金型はライフライク、バウザーに移管。設計段階から70年になろうという模型を現在でも新品として購入できるのは驚異ですが、リアル・ヴァーニィはやはりアレンも賞賛したダイキャスト製にとどめを刺します。ただし元を正せば入門用。程度も千差万別です。

それでもレストアすれば期待に応えてくれるのもヴァーニィの偉大さ。比較的入手しやすいこのアンティークロコでG&Dや50年前のモデルライフやを偲ぶのもまた一興でしょう。バウザーが現在でも販売しているヴァルブギヤ、スーパーディティールキットは驚くべきことにヴァーニィ製品にも使用可能。コアレスモーター、サウンドDCCなどでスーパーヴァーニィも楽しそうです。